みすず書房

コラム

WEBみすず1周年、注目記事をふりかえってご紹介

2024年9月20日

2023年9月号からスタートした「WEBみすず」は、今月で1周年を迎えました。ご支援をいただきありがとうございます。
このコラムでは過去1年間の「連載記事」およびその他のコーナーから、特に反響の大きかった記事をふりかえってご紹介いたします。

【連載記事】

WEB「みすず」では現在、10作品の連載を公開しています。各連載から、最もアクセス数の多かった記事を掲載月順にご紹介します。

国籍の剝奪

武井彩佳「国籍・国境・格差」第2回(2023年9月号掲載)

民族/国民と国家の関係性を考察する連載。執筆は武井彩佳さん(ドイツ現代史、ユダヤ史、ホロコースト研究)。第2回では、アーレントを含むドイツ・ユダヤ人を例に、国籍の剝奪と現在まで続くその余波について考える。

宇宙はどのくらい広いのか

執筆:松下安武 監修:野村泰紀「並行宇宙は実在するか」第1回(2023年10月号掲載)

研究者たちがマルチバース宇宙論に至った道のりを丁寧に辿る連載。執筆はサイエンスライターの松下安武さん、監修は理論物理学の野村泰紀さん。第1回では、私たちが住む「この宇宙はいったいどのような世界なのか」、「この宇宙はどのくらい広いのか」を解説。

ケアの熱狂――もっと世話するために、もっと不幸になってほしい

頭木弘樹「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」第17回(2023年10月号掲載)

フランツ・カフカの小説『変身』を、新訳しながら、超スローリーディングする連載。執筆は文学紹介者の頭木弘樹さん。虫になったグレーゴルに対する、妹のグレーテの介護の熱。ケアの精神は素晴らしいものだが、ときに危険もはらむ。

岬の光

奥山淳志「あたらしい糸に」第1回(2023年10月号掲載)

写真家・奥山淳志さんのエッセイ。「津軽」の土地と、津軽で出会ったある人について。「今の僕にとっての「津軽」の印象は南北に走る長い海岸線とそこに射す光だ。」

「未覚池塘春草夢」――詩の百面相

三村一貴「中国文学万華鏡」第1回(2024年1月号掲載)

三村一貴さん(中国語学)の連載。第1回では、「少年老い易く学成り難し」この詩の意外な事実を研究史からひもとき、現代の我々がこの詩をどう読めるかを考える。

人が大切だという概念がなく、庶民の立場を考えて行動しないのが、現在の官僚の大きな問題点である――方方『武漢日記』(2020年)

吉岡忍「虚実往還――文学へ、現実から。現実へ、文学から。」第2回(2024年1月号掲載)

吉岡忍さん(ノンフィクション作家)のエッセイ。中国の作家・方方(ファンファン)と、コロナ禍に見舞われた武漢市を舞台にして書かれたオンライン日記、方方『武漢日記』(飯塚容・渡辺新一訳、河出書房新社、2020年刊)などを取り上げ、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下の社会を記録する。

三蔵法師を食べた日々――北京市ほか

リレー連載 「中国採訪」第3回大谷亨(2024年3月号掲載)

「中国採訪」は、書き手の方に中国での経験をエッセイとして綴っていただく、リレー形式の連載。第3回は中国民俗学研究者の大谷亨さんが、中国と「肛門期的な出会い」をした、子供のころの思い出について。

夜のフェラーリ、不思議な往診

松本俊彦「誰がために医師はいる・続」第1回(2024年4月号掲載)

精神科医・松本俊彦による迫真のエッセイ『誰がために医師はいる』(2021年)の続編。年配の精神科医からの依頼がきっかけではじまった、ある著名人の薬物検査。

矛盾に満ちた実在/科学者としてのオッペンハイマー

伊藤憲二「科学史家による映画『オッペンハイマー』考」第1回(2024年5月号掲載)

仁科芳雄の伝記『励起──仁科芳雄と日本の現代物理学』の著者で、科学史家の伊藤憲二さんが、クリストファー・ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』を評す。オッペンハイマーがどのように描かれたか、その人物像に着目して考察。

心理学は役に立つのか

平石界「心理学の現在地を読み解く」第1回(2024年8月号掲載)

心理学者の平石界氏の連載第1回。「現在の心理学は、社会に出てから役に立つ、大学で真剣に学ぶに値する学問となっているのだろうか。さらに話を広げて、現在の心理学は社会の役に立っているのだろうか。」

【新刊紹介、話題の本、コラム】

新刊紹介・話題の本・コラムから反響の大きかった記事5点を掲載順にご紹介します。

新刊紹介では、新刊書の試し読みや、特別寄稿、編集者からのご挨拶、関連書情報も交えながら紹介する記事を掲載しています。
話題の本・コラムでは、世の中でいま話題になっている本や著訳者などを紹介する記事、講演レポートなどを掲載しています。

ヤマザキマリラジオより トーク抜粋
ベッピ・キュッパーニ『救い』中嶋浩郎訳

新刊紹介 2023年9月8日掲載

2023年8月17日、NHKラジオ第1「ヤマザキマリラジオ」のゲストに、『救い』の著者ベッピ・キュッパーニさんがイタリアから登場。本書に推薦文をお寄せくださった歴史家の磯田道史さんも交えて、日本の戦国時代について語りあったトークの抜粋記事です。

2023年、複数の書評で取り上げられた本

話題の本 2023年12月22日掲載

2023年の新刊書を、各新聞・雑誌・ウェブメディアなど多くの媒体でご紹介いただきました。なかでも複数の評者に取り上げられた注目書を、ふりかえった記事です。

なぜこれほどの国際的難題を前にして国際法は機能しないのだろう

新刊紹介 2024年1月10日掲載

2024年1月の新刊、最上敏樹『国際法以後』「あとがき」より抜粋して掲載しています。かくも堂々と破られる国際法とはなんなのか。構造的問題を明示し「後」に来るべきものを探る。

『読書アンケート 2023』で識者が選んだ本

話題の本 2024年2月22日掲載

『読書アンケート 2023』では、各界の読書人139名の方々に、新刊・既刊を問わず、2023年にお読みになった本のなかから、印象深かったものを挙げていただきました。ご紹介いただいた約700冊の中から、複数の方が取りあげた本を集めて紹介した記事です。

島田潤一郎『長い読書』のための序文

新刊紹介 2024年4月15日掲載

島田潤一郎『長い読書』(2024年4月刊)の編集担当者が、本書についての「序文」を、どこか別の時代の、別の土地に住む人が書いてみたらどんな風になりうるかと、少し妄想をふくらませて書いた記事です。

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