『読書アンケート 2023』で識者が選んだ本

雑誌『みすず』では、毎年1・2月号にて、「読書アンケート」特集を行ってまいりましたが、本年から書籍として刊行いたします。
『読書アンケート 2023』（2月16日刊）では、各界の読書人139名の方々に、新刊・既刊を問わず、2023年にお読みになった本のなかから、印象深かったものを挙げていただきました。
この記事では、ご紹介いただいた約700冊の中から、複数の方が取りあげた本を集めてご紹介いたします。

• 朝井まかて『類』集英社
• 東浩紀『訂正可能性の哲学』ゲンロン
• 五十嵐元道『戦争とデータ――死者はいかに数値となったか』中央公論新社
• 石川義正『存在論的中絶』月曜社
• 市川沙央『ハンチバック』文藝春秋
• 猪瀬浩平『野生のしっそう――障害、兄、そして人類学とともに』ミシマ社
• 大江健三郎『親密な手紙』岩波書店
• 岡﨑乾二郎『頭のうえを何かが』ナナロク社
• 沖縄青年同盟資料集刊行委員会編『沖縄青年同盟資料集 「復帰」に抗した<在日>沖縄青年運動』琉球館
• 小野寺拓也、田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか？』岩波書店
•  川上未映子『黄色い家』中央公論新社
• 川崎賢子編『左川ちか詩集』岩波書店
• 川本直、樫原辰郎、武田将明編『吉田健一に就て』国書刊行会
• 倉沢愛子、 松村高夫『ワクチン開発と戦争犯罪 インドネシア破傷風事件の真相』岩波書店
• 小泉悠『ウクライナ戦争』筑摩書房
• 高秉權『黙々――聞かれなかった声とともに歩く哲学』影本剛訳、明石書店
• 小山さんノートワークショップ編『小山さんノート』エトセトラブックス
• 斎藤真理子『本の栞にぶら下がる』岩波書店
• 佐藤泉『死政治の精神史――「聞き書き」と抵抗の文学 』青土社
• 佐藤幹夫『津久井やまゆり園「優生テロ」事件、その深層とその後――戦争と福祉と優生思想』現代書館、2022
• 澤田直『フェルナンド・ペソア伝 異名者たちの迷路』集英社
• 四國光『反戦平和の詩画人 四國五郎』藤原書店
• 中村真一郎『木村蒹葭堂のサロン』新潮社、2000年
• 蓮實重彥『ジョン・フォード論』文藝春秋、2022年
• 日野行介『情報公開が社会を変える――調査報道記者の公文書道』筑摩書房
• 平井和子『占領下の女性たち　日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」』岩波書店
• 松里公孝『ウクライナ動乱――ソ連解体から露ウ戦争まで』筑摩書房
• 三牧聖子『Z世代のアメリカ』NHK出版
• 山田太一（頭木弘樹 編）『ふぞろいの林檎たちⅤ／男たちの旅路〈オートバイ〉――山田太一未発表シナリオ集』国書刊行会
• 輪島裕介『昭和ブギウギ――笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』NHK出版
• フランソワ・ヴィヨン『ヴィヨン全詩集』宮下志朗訳、国書刊行会
• ミシェル・ウエルベック『滅ぼす』野崎歓、齋藤可津子、木内尭訳、河出書房新社
• イーヴリン・ウォー『無条件降伏――誉れの剣Ⅲ』小山太一訳、白水社
• ドゥブラヴカ・ウグレシッチ『きつね』奥彩子訳、白水社
• デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ『万物の黎明――人類史を根本からくつがえす』酒井隆史訳、光文社
• モアメド・ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』野崎歓訳、集英社
• ロバート・ダーントン『猫の大虐殺』海保眞夫、鷲見洋一訳 、岩波書店、2007年
• アンドレイ・プラトーノフ『幸福なモスクワ』池田嘉郎訳、白水社
• ウェンディ・マツムラ『生きた労働への闘い――沖縄共同体の限界を問う』増渕あさ子・古波藏契・森亜紀子訳、法政大学出版局
• フィリップ・ラクー=ラバルト、ジャン=リュック・ナンシー『文学的絶対――ドイツ・ロマン主義の文学理論』法政大学出版局