みすず書房

話題の本

書評に載った本 2024年3月

2024年4月25日

2024年3月に書評掲載された本、新聞や雑誌に掲載された著者インタビューなどをご紹介します。

エリザベス・ミキ・ブリナ『語れ、内なる沖縄よ――わたしと家族の来た道』

2024年2月刊

沖縄出身の母とベトナム帰還兵の父を持つアメリカ人女性が、長く遠ざけてきた沖縄を訪れ、その歴史をたどりながら自身のルーツに向き合う。多くの共感を呼んだメモワール。

  • 日本経済新聞 2024年3月23日 評者・与那原恵さん

『語れ、内なる沖縄よ』の詳細はこちら
【試し読み】「訳者あとがき」より抜粋

矢野久美子『アーレントから読む』

2024年1月刊

アーレントから世界を見たとき、何が見えてくるだろうか。その思想の核心を洞察し、混迷を深める世界を生きるための手掛かりを探す。

  • 共同配信 2024年3月16日 評者・岡野八代さん
  • 図書新聞 4/6(第3634)号 評者・二井彬緒さん

『アーレントから読む』の詳細はこちら

金子信博『ミミズの農業改革』

2023年12月刊

耕さず、ミミズに委ねよう。ミミズは落ち葉と土を食べて団子にし、栄養を閉じ込め、水路も作る。土を構造化し続ける生態系改変者に、これからの農業を学ぶ。

  • 日本農業新聞 3月31日 評者・石井徹さん

『ミミズの農業改革』の詳細はこちら
【試し読み】第1章冒頭より

林大地『世界への信頼と希望、そして愛――アーレント『活動的生』から考える』

2023年12月刊

ここに鮮やかで瑞々しいハンナ・アーレント論が誕生した。「世界」概念を軸に『活動的生』を読み解き、アーレントの著作全体の核心に近づく試論=エッセイ。

  • 日本経済新聞 3月16日 「活字の海で」

  • 週刊読書人 3月22日号(3532号) 評者・渡名喜庸哲さん

『世界への信頼と希望、そして愛』の詳細はこちら

呉叡人『フォルモサ・イデオロギー――台湾ナショナリズムの勃興1895-1945』梅森直之・山本和行 訳

2023年11月刊

日本の東洋的植民主義の下で、台湾人はいかにして自らのネーションの政治的形式を想像し、そこに文化的内容を付与していったのか。その葛藤的過程を描く。

  • 毎日新聞 3月9日 短評

『フォルモサ・イデオロギー』の詳細はこちら
【試し読み】訳者あとがき(梅森直之)

フェイ・バウンド・アルバーティ『私たちはいつから「孤独」になったのか』神崎朗子訳

2023年11月刊

誰もが抱える問題として普遍化され、社会的対処の必要性が叫ばれる「孤独」。単に「独りでいること」を意味した「孤独」が、近代以降、否定的な欠乏感の表現となり、複雑な感情群となるにいたった歴史を紐解く。

  • 週刊読書人 2024年3月8日号 評者・木澤佐登志さん
  • 週刊東洋経済 2024年3月16日号 評者・渡部沙織さん
  • 型技術 2024年4月号 「本の案内」

『私たちはいつから「孤独」になったのか』の詳細はこちら
【試し読み】序文「No (Wo)man Is an Island――人間は誰も(女も男も)孤島ではない」抜粋はこちら

デイヴィッド・スタサヴェージ『民主主義の人類史――何が独裁と民主を分けるのか?』立木勝訳

2023年11月

壮大な人類学的スケールで民主主義の変貌を定量的に分析し、デモクラシーの未来をも描き出す。

  • 週刊東洋経済 2024年3月30日号 評者・河野龍太郎さん

『民主主義の人類史』の詳細はこちら

服部文祥『北海道犬旅サバイバル』

2023年9月刊

50歳を迎えた登山家が愛犬を連れて宗谷岬から襟裳岬まで700kmを2ヵ月かけて歩き通した。鹿を撃って食いつなぐサバイバル旅。

  • 神奈川新聞 2024年3月12日 評者・荻田泰永さん

『北海道犬旅サバイバル』の詳細はこちら

カール・エリック・フィッシャー『依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか』松本俊彦 監訳 小田嶋由美子 訳

2023年4月刊

依存症は「病気」なのか? アルコール依存症から回復した精神科医が、圧倒的な筆力で概念の変遷から対策の歴史までを詳らかにする。

  • 週刊教育資料 3月25日号(1741号) 評者・髙橋聡美さん

『依存症と人類』の詳細はこちら
【試し読み】「解題」(松本俊彦)

千葉聡『招かれた天敵――生物多様性が生んだ夢と罠』

2023年3月刊

計り知れない複雑さをはらむ「自然」と、そこに介入せずには済まない人間と科学の業を描く。生物多様性の魅惑と生態学の醍醐味が詰まった、渾身の書き下ろし。

  • 日本農業新聞 2024年3月3日 評者・榊田みどりさん

『招かれた天敵』の詳細はこちら
【試し読み】「はじめに」全文公開

マイケル・E・マカロー『親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』的場知之訳

2022年12月刊

なぜ赤の他人に親切にするのか? 思いやる個体は出し抜かれ、淘汰されてしまうのでは? 「利他行動」にまつわる謎を進化生物学と慈善の歴史という観点で読み解く。社会心理学者が多角的に論じた、思いやりの人類史。

  • 社会心理学研究 2024年39巻3号 評者・大坪庸介さん

『親切の人類史』の詳細はこちら
【編集者からひとこと】「思いやりの理由」を知るために

ブランコ・ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来』 西川美樹 訳、 梶谷懐 解説

2021年6月刊

米国に代表されるリベラル能力資本主義と、中国に代表される政治的資本主義。両者がはらむ、格差拡大と腐敗の進行という病弊の原因を喝破し、軌道修正を読者に迫る。不平等研究の第一人者による最新作、待望の邦訳。

『資本主義だけ残った』の詳細はこちら
 

岡真理『ガザに地下鉄が走る日』

2018年11月刊

高い分離壁に囲まれたパレスチナ・ガザ地区は「現代の強制収容所」と言われる。そこで生きるとは、いかなることだろうか。生きながらの死を強いる占領という暴力と、そこでなお人間的に生きる人々との出会いを、パレスチナと関わって40年の著者が伝える。

  • 日本経済新聞 3月9日 評者・川野里子さん

『ガザに地下鉄が走る日』詳細はこちら

以上、今月の書評の中からご紹介しました。(営業部)