2024年5月に書評掲載された本をご紹介します。
島田潤一郎『長い読書』
2024年4月刊
「本を読み続けることでなにを得られるのか。」吉祥寺のひとり出版社「夏葉社」を創業した著者が、喜びだけではない、読書という体験の全体をつぶさに描く無二の散文集。
- 東京新聞/中日新聞 2024年5月4日 評者・笈入建志さん(往来堂書店店長)
- 西日本新聞 2024年5月18日 評者・城下康明さん(ひとやすみ書店)
- 京都新聞 2024年5月18日 評者・浦田千紘さん(人文書院)
- 北海道新聞 2024年5月26日 評者・辻山良雄さん(書店店主)
- 毎日新聞 2024年5月29日 評者・大塚真祐子さん(文筆家・元書店員)
『長い読書』の詳細はこちら
【新刊紹介】島田潤一郎『長い読書』のための序文
島田潤一郎『長い読書』書店イベントレポート(2024年4月)
マックス・ブロート編『カフカの日記【新版】――1910-1923』
2024年4月刊
研ぎ澄まされた五感が捉えた日常、それを受け止める心の世界。日記文学の金字塔を、カフカ没後100年の2024年、新たに世におくる。
初版から品切れが続き、ご迷惑をおかけしております。ただいま3刷を進行中です。製作上の理由により、出来は秋頃を予定しております。
- 朝日新聞 2024年5月25日 評者・福嶋亮大さん(立教大学教授・批評家)
ヘンリー・マーシュ『残された時間――脳外科医マーシュ、がんと生きる』
2024年4月刊
それほど遠くない人生の終わりに直面したとき、人は何を思うのか。数えきれないほどの死を見届けてきた脳外科医マーシュの、最後のメッセージ。
- 読売新聞「五郎ワールド」 2024年5月4日 評者・橋本五郎さん(特別編集委員)
ジュディス・L・ハーマン 『真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』
2024年3月刊
暴力被害者は何を求めているのか。加害者の謝罪やアカウンタビリティはどうあるべきか。補償や再発防止の具体策は、司法のあり方は。『心的外傷と回復』を継ぐ総決算の書。
- 東京新聞/中日新聞 2024年5月4日 評者・河原潤子さん(ライター)
海老坂武『生きるということ――モンテーニュとの対話』
2024年3月刊
「どのページから開いてどのテーマから入っていってもよい。ただし熟読するのだ。」モンテーニュ『エセー』との密やかな22の対話を収録した随筆/随想(エセ―)。
- 週刊読書人 2024年5月10日号 評者・塩川徹也さん
エミール・シンプソン『21世紀の戦争と政治――戦場から理論へ』
2024年3月刊
英陸軍士官としてアフガニスタンを戦った著者が「戦争という概念」を現代の文脈から問い直す。「本書こそは…クラウゼヴィッツ『戦争論』の終結部と呼ぶに相応しい」(マイケル・ハワード)。
- 日本経済新聞 2024年5月4日 評者・小谷賢さん(日本大学教授)
エリザベス・ミキ・ブリナ『語れ、内なる沖縄よ――わたしと家族の来た道』
2024年1月刊
沖縄出身の母とベトナム帰還兵の父を持つアメリカ人女性が、長く遠ざけてきた沖縄を訪れ、その歴史をたどりながら自身のルーツに向き合う。多くの共感を呼んだメモワール。
- 図書新聞 2024年6月1日号3641号 評者・奥田みのりさん
- 聖教新聞 2024年5月28日
ジム・ダウンズ『帝国の疫病――植民地主義、奴隷制度、戦争は医学をどう変えたか』
2024年2月刊
植民地主義や戦争は疫病を蔓延させた一方で大規模な調査を可能にし、疫学は飛躍的に発展した。奴隷や兵士など、歴史の闇に埋もれた人々が織りなす、疫学誕生の歴史。
- 週刊エコノミスト 2024年5月21日号 評者・藤好陽太郎さん(追手門学院大学教授)
礒井純充『「まちライブラリー」の研究――「個」が主役になれる社会的資本づくり』
2024年2月刊
始まりから12年、著者が提唱し、全国1000ヶ所以上に形成されてきた「まちライブラリー」。地域の場づくりやコミュニティ形成をうながす活動の鍵を明らかにする、示唆に富んだ一冊。
- 図書新聞 2024年5月25日号(3640号) 評者・川原紗英子さん(まちライブラリー事務局・もう一つの椅子)
林大地『世界への信頼と希望、そして愛――アーレント『活動的生』から考える』
2023年12月刊
ここに鮮やかで瑞々しいハンナ・アーレント論が誕生した。「世界」概念を軸に『活動的生』を読み解き、アーレントの著作全体の核心に近づく試論=エッセイ。
-
図書新聞 2024年5月25日号(3640号) 評者・橋爪大輝さん(山梨県立大学人間福祉学部准教授)
フェイ・バウンド・アルバーティ『私たちはいつから「孤独」になったのか』
2023年11月刊
誰もが抱える問題として普遍化され、社会的対処の必要性が叫ばれる「孤独」。単に「独りでいること」を意味した「孤独」が、近代以降、否定的な欠乏感の表現となり、複雑な感情群となるにいたった歴史を紐解く。
- 東京人 2024年6月号 評者・河合香織さん(ノンフィクション作家)
『私たちはいつから「孤独」になったのか』の詳細はこちら
【試し読み】序文「No (Wo)man Is an Island――人間は誰も(女も男も)孤島ではない」抜粋はこちら