みすず書房

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書評に載った本 2025年5月

2025年6月12日

2025年5月に書評掲載された本をご紹介します。

上野千鶴子『アンチ・アンチエイジングの思想――ボーヴォワール『老い』を読む』

2025年4月刊

私たちはなぜ老いを恐れるのだろう。ボーヴォワール『老い』を読み、老い衰え自立を失った人が生きる社会を構想する。

  • 東京新聞 2025年5月22日 大波小波「アンチエイジングという病」

  • 毎日新聞 2025年5月29日 「文芸時評 5月 私のおすすめ」 評者・大塚真祐子さん(文筆家・元書店員)

  • 「ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)」 2025年5月2日 評者・米田佐代子さん(ミニコミ図書館スタッフ) 「行きつくところまで行ってみよう」

  • 「ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)」 2025年5月10日 評者・河野貴代美さん   

『アンチ・アンチエイジングの思想』の詳細はこちら
【試し読み】第1章「老いは文明のスキャンダルである」

『クレーとマルク 動物たちの場所』

新藤真知・高橋文子編 2025年4月刊

ドイツ絵画史に残る、ひそやかで特別な友情。家族ぐるみの親密な交流を伝える絵葉書と、クレーとマルクが描いた動物絵を中心に編む。42作収録、オールカラー。

  • 毎日新聞「今週の本棚」 2025年5月31日 評者・堀江敏幸さん(作家)

『クレーとマルク 動物たちの場所』の詳細はこちら

 

トマ・フィリポン『競争なきアメリカ――自由市場を再起動する経済学』

川添節子 訳 2025年3月刊

アメリカは自由市場を諦めたか?テック企業と政治の結びつき、賃金・経済成長・格差の問いに、データで挑む。「21世紀の資本主義を理解するための必読書」(ガブリエル・ズックマン)

  • 日本経済新聞 2025年5月3日 評者・地主敏樹さん(関西大学教授) 「米国経済の意外な特徴暴く」

  • 東京新聞・中日新聞 2025年5月10日 評者・中北徹さん(東洋大名誉教授) 「権力にすり寄る新産業の実態」

  • 朝⽇新聞 2025年5月24日 評者・酒井正さん法政大学教授(労働経済学) 「進む寡占化、なぜ大いなる逆行」

  • 公正取引 2025年5月号通巻895号 評者・安達貴教さん(京都大学経営管理大学院・大学院経済学研究科教授)

『競争なきアメリカ』の詳細はこちら
【編集者からひとこと】『競争なきアメリカ』の読みどころを3つ(、4つ)ご紹介

押村高『グローバル社会の哲学――現状維持を越える論理』

2025年3月刊

グローバル空間を「社会」と捉えるとき、国家や企業、市民社会に求められるものは何か?国際正義論の第一人者による、ラディカルな問題提起と研究の未来図。

  • 日本経済新聞 2025年5月17日 評者・山崎望さん(中央大学教授) 「国際政治思想の再確認」

『グローバル社会の哲学』の詳細はこちら
【試し読み】「現状維持バイアス」を乗り越えて(「あとがき」より抜粋)

ラース・チットカ『ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識』

今西康子 訳 2025年2月刊

高速の思考。数を数え、道具を使い、他の個体から問題解決法を盗みさえする! ハナバチ認知研究の権威である著者が、1匹の内にある驚くべき精神生活を実験で説き明かす驚異の昆虫研究。掲載図版はフルカラー。

  • UP 2025-5 評者・泊次郎さん 「心とは、意識とは、AIと動物はどこが違うのか」

『ハチは心をもっている』詳細はこちら
【試し読み】「はじめに」[抄]

 

ダニエル・ジェイムズ・ブラウン『遥かなる山に向かって――日系アメリカ人二世たちの第二次世界大戦』

森内薫 訳  2025年2月刊

日米開戦により悲運に見舞われた在米日系人らの苦闘を、4人の二世を軸に描く。『ヒトラーのオリンピックに挑め』の名手による傑作実録。写真51点を収録。

  • 北海道新聞 2025年5月11日 評者・城戸久枝さん(ノンフィクションライター) 「収容所で戦地で 日系人の苦難」

  • 朝⽇新聞 2025年5月17日 評者・保阪正康さん(ノンフィクション作家) 「迫害の実態 口述資料で詳細に」

『遥かなる山に向かって』の詳細はこちら
【試し読み】「真珠湾攻撃が彼らの運命を変えた」訳者あとがき(抄)

ジョルジョ・アガンベン『現実化しえないもの――存在論の政治に向けて』

上村忠男 訳 2025年2月刊

「脱構成的な可能態の理論」は、〈ホモ・サケル〉シリーズの最終巻『身体の使用』から実り豊かな深化を遂げた。関連しあう2本の論考および付録「准教授採用試験のための講義」を収める。

  • 図書新聞 2025年5月10日号(3687号) 評者・友常勉さん(日本思想史) 「根源的な〈開かれ〉――脱構成的な政治の形而上学的な条件を措定」

『現実化しえないもの』の詳細はこちら

チェ・テソプ『韓国、男子――その困難さの感情史』

小山内園子・すんみ 訳、趙慶喜 解説 2024年12月刊

家父長制、植民地化、南北分断、軍政、経済危機、兵役……。「韓国男子」の感情史を近現代史上の事象や流行語を手がかりに辿る。フェミニズムへの応答としての韓国男子論。

  • しんぶん赤旗日曜版 2025年5月11日 評者・成川彩さん(韓国在住文科系ライター) 「『自己被害者化』の背景に徴兵制が」

『韓国、男子』の詳細はこちら
【書評】佐々木正徳「男性性の普遍を探る」(WEBみすず2024年12月号)

ヴィリ・レードンヴィルタ『デジタルの皇帝たち――プラットフォームが国家を超えるとき』

濱浦奈緒子訳 2024年8月刊

自由とテクノロジーを誰よりも愛した者は国家を超える帝国を築いた。デジタル帝国の君主たちの思想的起源や経営手法、そして彼らに抗った人々を、ストーリーとデータで描く。

  • 日経BOOKプラス「経済学の書棚」第29回 2025年5月8日 評者・前田 裕之さん(学習院大学客員研究員・文筆家) 「プラットフォーム企業にどう対抗するか 功罪を問う3冊」

『デジタルの皇帝たち』の詳細はこちら
【編集者からひとこと】古代ギリシャ・ソ連・デジタル帝国
【コラム】ブックリスト:デジタルの歴史