2025年1月に書評掲載された本をご紹介します。
近藤滋『エッシャー完全解読――なぜ不可能が可能に見えるのか』
2024年12月刊
100点を超える図版で、《物見の塔》《滝》などだまし絵5作の制作過程を分解する。エッシャーが制作中に何に悩み、何を大切にしていたかにまで踏み込んでいく。謎解きの楽しさに満ちた1冊。
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毎日新聞 2025年1月11日 評者・若島正さん(京大名誉教授・米文学) 「不可能が可能に見える手品を解剖」
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日本経済新聞2025年 1月25日 評者・布施英利さん(芸術学者) 「科学と芸術またぐ知の喜び」
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芸術新潮 2025年2月号 編集部のおすすめ! 「理論生物学者が解き明かす超絶「だまし絵」の秘密」
チェ・テソプ『韓国、男子――その困難さの感情史』
小山内園子・すんみ 訳、趙慶喜 解説 2024年12月刊
家父長制、植民地化、南北分断、軍政、経済危機、兵役……。「韓国男子」の感情史を近現代史上の事象や流行語を手がかりに辿る。フェミニズムへの応答としての韓国男子論。
- 東京新聞 2025年1月8日 大波小波
- 週刊文春 2025年1月23日号 評者・酒井順子さん(エッセイスト) 「私の読書日記 編み物、「黒人」、韓国男子」
- 毎日新聞 2025年1月25日 評者・中島京子さん(作家) 「韓国を揺るがす、こじれた男性性」
- 東京新聞、中日新聞 2025年1月25日、26日 評者・ひらりささん(文筆家) 「敗北の記憶 継いだ先に」
松隈洋『未完の建築――前川國男論・戦後編』
2024年12月刊
国立国会図書館、東京文化会館はじめ数々の建築の設計を手がけ、「人間にとって建築とは何か」を問い続けた前川國男。前川自身のことばや関係者の発言、当時の資料を駆使して、その人と作品と時代を鮮やかに描く。
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毎日新聞 2025年1月18日 評者・松原隆一郎さん(放送大教授・社会経済学) 「余白、敷地の外へも、人の温かみ」
魏明毅『静かな基隆港――埠頭労働者たちの昼と夜』
黒羽夏彦訳 2024年11月刊
台湾北部の港街を舞台にグローバル資本主義に翻弄された港湾労働者たちの生を描く。台湾最高栄誉の文学賞・金鼎獎受賞の心揺さぶる「悲哀のエスノグラフィー」。
- 共同配信(下野新聞、新潟日報、熊本日日新聞、山陰中央新報ほか) 2025年1月19日 評者・石田光規さん(早稲田大教授) 「グローバル市場 一時の夢」
『静かな基隆港』の詳細はこちら
【試し読み】「彼らは私たちである」――新自由主義下の困難を乗り越える視点(訳者解題より)
ヤン=ヴェルナー・ミュラー『恐怖と自由――ジュディス・シュクラーのリベラリズム論と21世紀の民主制』
古川高子 訳 2024年11月刊
リベラリズムは時代遅れなのか。ポピュリズムや民主主義の著作で知られる政治学者が、J・シュクラーの議論を指針に、リベラル思想のアップデートを試みる。巻末にシュクラーの論文「恐怖のリベラリズム」全文併録。
- 日本経済新聞 2025年1月18日 評者・水島治郎さん(千葉大学教授) 「リベラリズムの根源を今に」
『恐怖と自由』の詳細はこちら
【新刊紹介】快調に車を運転していたリベラルがピンチに陥る。向こうから逆走車がどんどんやってくるのだ――?
ジャン・アメリー『老いについて――反乱と諦念』
初見基訳 2024年11月刊
肉体の衰え、時間の観念や他者の視線、社会とのかかわり方の変化、孤独感、死に向かうプロセス…。反乱と諦念を基調にホロコースト体験者が描く異色の省察。
- 新潮 2025年2月号 評者・小池水音さん 【書評委員による 私の書棚の現在地】「『A』の微振動」
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聖教新聞 2025年1月28日 「陽が傾く時にこそ、老齢は燃える」
駒込武編『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い――「台湾有事」論の地平を越えて』
2024年10月刊
〈帝国の狭間〉に置かれた人びとが、立場の違いを乗り越え、ともに平和であることは可能か?歴史認識と倫理的価値にもとづく〈同盟〉を模索する対話の試み。
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地平 2025年1月号 評者・戸邉秀明さん(東京経済大学教授) 「台湾・沖縄からの対話の提起」
『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い』の詳細はこちら
【試し読み】台湾と沖縄がともに平和である道はないのか? まえがきを全文公開
ブルース・ホフマン/ジェイコブ・ウェア『神と銃のアメリカ極右テロリズム』
田口未和訳 2024年10月刊
政治的暴力が深刻な米国で、その大半を占める極右テロ。何が暴力を駆動するのか。厳格な銃規制は、どうして不可能なのか。極右テロリズム40年の歴史と防止策を、第一人者が説く。
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Wedge 2025年1月号 〈ウェッジ編集部おすすめ〉トランプ大統領再登板へ、激動の2025年に向けて読んでおきたい5冊
『神と銃のアメリカ極右テロリズム』の詳細はこちら
【新刊紹介】政治暴力の大半を占める極右テロ 第一人者による検証と対策
トマ・ピケティ『平等についての小さな歴史』
広野和美訳 2024年9月刊
「私はこれまでの研究を要約することにした。本書はその成果である」3000ページの達成を、250ページに凝縮。平等の歴史についての新たな展望をも示す、最良のピケティ入門。
- しんぶん赤旗日曜版 2025年1月12日号 評者・友寄英隆さん(経済研究者)
ジャン=ピエール・ヴェルナン『形象・偶像・仮面――コレージュ・ド・フランス 宗教人類学講義』
上村くにこ/饗󠄀庭千代子訳、前田耕作 梗概 2024年8月刊
神はどんな姿をしているか。古代ギリシア人は目に見えない超自然的な力をどう表現したのか。「宗教形象」の原像を求めて、イメージの歴史の深奥を追った名著。
- 週刊読書人 2025年1月31日号 評者・江川純一さん(イタリア宗教史学) 「古代ギリシアを対象としたイメージ論 有意義な示唆がいくつも詰まったレジュメ集」
- 図書新聞 2025年2月15日(3675)号 評者・佐藤真理恵さん(古代ギリシア研究) 「古代ギリシアの神々の形象を探求――広汎な視点から古代ギリシア世界の滋味豊かな魅力を描き出す」
スティーブ・ブルサッテ『哺乳類の興隆史――恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで』
黒川耕大訳、土屋健日本語版監修 2024年7月刊
哺乳類の覇者への道のりは恐竜絶滅よりも遥か昔に始まった。哺乳類の祖先が幾多の絶滅事件を乗り越え私たちに至るまでの、途方もない歴史を描く。図版多数収録。
- 読売新聞 2025年1月11日 よみうり寸評
ハリー・パーカー『ハイブリッド・ヒューマンたち――人と機械の接合の前線から』
川野太郎訳 2024年7月刊
アフガニスタン紛争で両足を失った作家が見つめる、障害のある身体と機械の接合による生きやすさ追求のフロンティア。当事者の目線に沿って見つめる「支援テクノロジー」考。
- 公明新聞 2025年1月20日 評者・吉川雅博さん(大阪工業大学教授)「人間と機械の関係に新たな展望」