みすず書房

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ペンローズ教授 ノーベル物理学賞受賞【重版出来】

2020年10月22日

物理学者ロジャー・ペンローズ教授、2020年ノーベル賞受賞

物理学者ロジャー・ペンローズ博士(オクスフォード大学名誉教授)が、ブラックホールの研究により2020年ノーベル物理学賞を受賞しました。ラインハルト・ゲンツェル(マックスプランク地球外物理学研究所)、アンドレア・ゲズ(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)両氏との共同の受賞です。

初めて一般読者のために書かれベストセラーとなった『皇帝の新しい心』、そしてそれに続く『心の影』を、ぜひ、あらためてどうぞ。

ペンローズ『皇帝の新しい心』

林一訳

《AIは裸の王様だ》と喝破するこの主張を読んで、憤慨する人もいるだろう。だが、そう唱えるのは、他でもない。鬼才ペンローズだ。ブラックホールの存在を明らかにし、宇宙のビッグバンによって始まったことを解明したペンローズが語るとき、科学者たちは耳を傾けるのである。……

ペンローズ『心の影』

林一訳[全2巻]

人間の脳は単なる計算機械ではなく、コンピュータには、意識をシミュレートすることさえできないとペンローズは考える。脳には、瞬時に状況を把握する能力があり、その能力を司るニューロン活動の背後には、アルゴリズムを超えた非計算的過程を宿すメカニズムがあるはずだというのである。では、そのメカニズムとは。物質的世界、心の世界、プラトン的世界をめぐってペンローズの唱える未知の物理学――量子重力論――の姿が示される。……