みすず書房

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書評に載った本 2025年10月

2025年11月7日

2025年10月に書評掲載された本をご紹介します。

『暗黒のアメリカ――第一次世界大戦と追い詰められる民主主義』

アダム・ホックシールド 秋元由紀訳 2025年9月刊

戦争が終わっても続いた暴力、検閲、差別の時代。戦争熱や排外主義、そして様々な差別を利用した大統領から、それに抗った女性アナーキストまで活写。本書が問うのは百年前だけでも米国だけでもない。

  • 朝日新聞    2025年10月18日 評者・高谷幸さん(東京大学准教授・社会学) 「また起こり得る危機 響く警鐘」

  • 日本経済新聞    2025年10月25日 評者・西山隆行さん (成蹊大学教授) 「民主主義 100年前の不安、今も」

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【試し読み】「宣伝によってクリームや石鹼が売れるなら、戦争も売れるはずではないか?」第12章より抜粋

『列島哲学史』

野口良平 2025年9月刊

もし人間が一人きりで生きていくことができるなら、哲学を必要とすることはないだろう。強大文明の辺境としての列島で成った哲学を古代から現代まで辿る。「上からの普遍性」に拮抗する「下からの普遍性」の系譜を掘り起こしていく試み。

  • 週間金曜日 2025年10月24日(1541)号 評者・高原到さん(批評家) 「誤りを認めてから対話が始まる」

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『GROWTH――「脱」でも「親」でもない新成長論』

ダニエル・サスキンド 上原裕美子訳 2025年8月刊

「どんなタイプの経済成長を追求すべきか? 誰のためのものであるべきか?…こうした問題に関心をもつ人の必読書だ」(D・アセモグル)。アイデアの成長にフォーカスした新提案。

  • 東洋経済 2025年10月25日号 評者・安田洋祐さん(政策研究大学院大学教授)「重要なのは是非ではなく 成長をどの方向に進めるか」

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【試し読み】はじめに(抄)

『国際政治における認知と誤認知』

ロバート・ジャーヴィス  阿部大樹訳 山田朗解説 2025年8月刊

なぜ誤認知は生じるのか、そしてその結果として何が起きるのか? 戦争はじめ外交政策の決定因子を政策決定者を中心に分析した基本文献。原著新版(2017)の全訳。

  • 朝⽇新聞 2025年10月25日 酒井啓子さん(千葉大学特任教授・中東研究)「意図は間違って理解されがちだ」

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『コンパートメントNo.6』

ロサ・リクソム 末延弘子訳  2025年7月刊

憧れのソ連に留学してきたフィンランド人の寡黙な少女と、家族をのこして建設現場へ向かうロシア人の饒舌な出稼ぎ夫。寝台列車の同じ部屋に偶然乗りあわせた二人の旅を描く。フィンランド最高の文学賞・フィンランディア賞を受賞したロードノベル。

  • 朝⽇新聞 2025年10月4日 評者・青山七恵さん(小説家)「粗暴な男と沈黙の少女の「連帯」」

  • クロワッサン 2025年10月25日号 評者・瀧井朝世さん(ライター)「寝台列車で出会った噛み合わない二人」

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【試し読み】「訳者あとがき」より抜粋