みすず書房

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書評に載った本 2025年8月

2025年9月9日

2025年8月に書評掲載された本をご紹介します。

大田静男『八重山の1945年』

2025年7月刊

アジア・太平洋戦争末期、米軍の沖縄本島上陸を前に、島々は戦場になった。島の軍事化はいかにして進んだのか。住民、日本軍、米軍、英軍の資料から迫る「八重山の戦争」の実相。

  • 日本経済新聞 2025年8月23日 評者・与那原恵さん(ノンフィクション作家) 「島々から見た沖縄戦の実相」

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トム・フォン・リ『日本 老いと成熟の平和』

梅原季哉 訳 2025年6月刊

少子高齢化と諸規範が形づくる日本独自の「非軍事主義の生態システム」を、広島に学んだ米国際政治学者が、各種統計データに加え、元防衛相から被爆者に至る70人超へのインタビューから解き明かし、戦後日本の平和の実相に迫る。

  • 公明新聞    2025年8月18日 評者・山田満さん(早稲田大学社会科学総合学術院教授) 「非軍事主義の生態システムを浮き彫りに」

  • 朝日新聞    2025年8月30日 評者・酒井正さん(法政大学教授・労働経済学) 「安全保障を制約する少子高齢化」

  • 中央公論    2025年9月号 評者・向山直佑さん(東京大学未来ビジョン研究センター准教授) 「書苑周遊 新刊この一冊」            

『日本 老いと成熟の平和』の詳細はこちら
【試し読み】訳者あとがき(抜粋)

ダニエル・ヴァルデンストロム『資産格差の経済史――持ち家と年金が平等を生んだ』

立木勝 訳 2025年5月刊

ピケティのナラティブを超えて。「富の平等化の主たる触媒は戦争による破壊でも累進課税制度でもない…」鍵は「持ち家」と「年金」にあった。最新の歴史的データをもとに、平等化への道筋を示す実証研究。

  • 公明新聞 2025年8月18日 評者・森剛志さん(甲南大学教授) 「富は住宅と年金にひもづく」

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ヨシフ・ブロツキー『レス・ザン・ワン――詩について 詩人について 自分について』

加藤光也・沼野充義・斉藤毅・前田和泉・工藤順 訳 2025年5月刊

詩とは、詩人とは何か。詩の魅力や可能性を壮大かつ緻密に語り、ソ連時代の生活を痛切に印す。20世紀後半最大のロシア詩人、ノーベル文学賞受賞者が描くエッセイ集。

  • 週刊読書人 2025年8月29日号評者・笹山啓さん(富山大学講師・ロシア文学) 「稀代の詩人を理解するための必読書 ブロツキーの「時間」感覚を共有し体に馴染ませる」

『レス・ザン・ワン』の詳細はこちら

 

伊藤憲二『励起――仁科芳雄と日本の現代物理学』上・下

2023年7月刊

今日の日本を支える先端的物理学研究のインフラとカルチャーはいかにして築かれたのか。原子物理学の父・仁科芳雄の生を軸に、破格のスケールでその道のりを描く科学史的伝記。

  • 日本アイソトープ協会「Isotope News」2025年8月号(800号) 評者・高橋美和子さん(量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部)    

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『励起』(全2巻)合評会レポート