みすず書房

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書評に載った本 2024年11月

2024年12月13日

2024年11月に書評掲載された本をご紹介します。

駒込武編『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い――「台湾有事」論の地平を越えて』

2024年10月刊

〈帝国の狭間〉に置かれた人びとが、立場の違いを乗り越え、ともに平和であることは可能か?歴史認識と倫理的価値にもとづく〈同盟〉を模索する対話の試み。

  • 沖縄タイムス    2024年11月30日 評者・高良沙哉さん(沖縄大学教授) 「対話や理解が平和築く」

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【試し読み】台湾と沖縄がともに平和である道はないのか? まえがきを全文公開

呉叡人『台湾、あるいは孤立無援の島の思想――民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて』

駒込武訳 2021年1月刊

構造的に「賤民(パーリア)」であることを強いられてきた台湾。多元・民主・平等に基づくナショナリズムを梃子として孤立無縁の境遇からの脱出を探る、持続的思索の集成。

  • 毎日新聞「鼎談 台湾の文化と文学」 2024年11月30日 評者・新井一二三さん(明治大教授、中文コラムニスト) 「なぜ」に答える本

『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』の詳細はこちら
【試し読み】台湾から日本へ、投げかけられた課題(「訳者あとがき」抄録)

 

ブルース・ホフマン/ジェイコブ・ウェア『神と銃のアメリカ極右テロリズム』

田口未和訳 2024年10月刊

政治的暴力が深刻な米国で、その大半を占める極右テロ。何が暴力を駆動するのか。厳格な銃規制は、どうして不可能なのか。極右テロリズム40年の歴史と防止策を、第一人者が説く。

  • 読売新聞 2024年11月3日 評者・遠藤乾さん(国際政治学者・東京大学教授) 「武装孤高犯 戦慄の系譜」

  • 朝⽇新聞 2024年11月16日 評者・福嶋亮大さん(批評家・立教大学教授) 「『内戦』の恐れ 誰が大統領でも」

『神と銃のアメリカ極右テロリズム』の詳細はこちら
【新刊紹介】政治暴力の大半を占める極右テロ 第一人者による検証と対策

 

ジョン・リー・アンダーソン『チェ・ゲバラ――革命の人生』上・下

山形浩生、森本正史訳 2024年10月刊

未公開資料と膨大なインタビューを駆使した決定版の伝記を、ついに邦訳。
「現代史に欠くことのできない著作だ」(ガーディアン紙)

  • 週刊読書人 2024年11月15日号 対談=山形浩生×伊高浩昭「チェ・ゲバラ、そしてキューバ 『チェ・ゲバラ 革命の人生 上・下』(みすず書房)刊行を機に」

『チェ・ゲバラ』の詳細はこちら
【試し読み】山形浩生「訳者あとがき」(抄)

ジェイソン・ファゴン『コードブレイカー――エリザベス・フリードマンと暗号解読の秘められし歴史』

小野木明恵訳 2024年10月刊

アメリカにおける現代暗号学の礎を築いたエリザベス・スミス・フリードマン(1892-1980)の知られざる生涯に迫る。NPR(全米公共ラジオ放送)年間最優秀書。

  • 日本経済新聞 2024年11月30日 評者・山本貴光さん(ゲーム作家) 「浮かび上がった暗号解読者」

『コードブレイカー』の詳細はこちら
【試し読み】現代暗号学の基礎を築いた女性の生涯を追う傑作評伝 「訳者あとがき」(抄)

 

ローレンス・リース『ヒトラーとスターリン――独裁者たちの第二次世界大戦』

布施由紀子訳 2024年8月刊

自らのユートピアを実現するために、地上の地獄を作り上げた20世紀最大の独裁者たち。その政治体制を比較し、新たな証言を盛り込んで、第二次世界大戦の本質を明らかにする。

  • 毎日新聞 2024年11月9日 評者・飯島洋一さん(多摩美術大学教授・建築評論) 「民主制の衰弱が招く偽装民主主義」

『ヒトラーとスターリン』の詳細はこちら
【新刊紹介】戦争体験者の証言をふんだんに盛り込みリアルに描く

 

ヴィリ・レードンヴィルタ『デジタルの皇帝たち――プラットフォームが国家を超えるとき』

濱浦奈緒子訳 2024年8月刊

自由とテクノロジーを誰よりも愛した者は国家を超える帝国を築いた。デジタル帝国の君主たちの思想的起源や経営手法、そして彼らに抗った人々を、ストーリーとデータで描く。

  • 週刊BCN 2024年11月25日vol.2038    <BOOK REVIEW> 「巨大プラットフォームにどう向き合うか」

『デジタルの皇帝たち』の詳細はこちら
【新刊紹介】古代ギリシャ・ソ連・デジタル帝国
【コラム】ブックリスト:デジタルの歴史

ゲルト・クルマイヒ『ジャンヌ・ダルク――預言者・戦士・聖女』

加藤玄監訳、小林繁子、安酸香織、西山暁義 訳 2024年6月刊

重要なのはジャンヌ・ダルクを「脱神話化」すること、彼女を取り巻く勝手な推測や仮説から解き放つことである。600年に及ぶ研究史をふまえ、最良の史料によって、歴史家としてジャンヌ・ダルクとその時代に接近する。

  • 図書新聞 3665号(2024年11月30日)評者・図師宣忠さん(甲南大学文学部教授) 「「脱神話化」の先に見えるジャンヌ・ダルクの姿とは?――政治・宗教に利用されてきたジャンヌ・ダルクの「実像」に迫る」

『ジャンヌ・ダルク』 の詳細はこちら

アレックス・ライト『世界目録をつくろうとした男――奇才ポール・オトレと情報化時代の誕生』
鈴木和博訳、 根本彰解説 

2024年6月刊

世界書誌、国際十進分類法、世界宮殿、そして「ムンダネウム」。知識ネットワークによる世界平和の実現に挑み、情報学の土台を築いた型破りな奇才の生涯。

  • 毎日新聞 2024年11月23日 評者・鹿島茂さん(仏文学者) 「ネット時代を予知した第一次大戦前」

『世界目録をつくろうとした男』の詳細はこちら