2025年も間もなく終わります。読者の皆様のご支援を賜りながら、2025年1月から12月までで、みすず書房は52点の新刊を刊行いたしました(新装版除く)。今回のブックリストでは、新刊・既刊とりまぜて、各種メディアで取り上げられ、話題にしていただいた本をご紹介いたします。
1月の話題書
2月の話題書
『九龍城寨の歴史』
魯金著 倉田明子訳
香港映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」の日本公開にともない、全国の書店様で九龍城の関連書が広く展開され、本書にもご関心をいただきました。
3月の話題書
4月の話題書
『デジタルの皇帝たち――プラットフォームが国家を超えるとき』
ヴィリ・レードンヴィルタ著 濱浦奈緒子訳
Youtube/Podcastチャンネル『ゆるコンピュータ科学ラジオ』の、本書をご紹介いただいた「巨大IT企業はなぜ邪悪になるのか」回(4月20日公開)が大きな反響をよび、特にYoutube版は40万回以上再生されました(12月時点)。また、著者レードンヴィルタ氏へのインタビューがForbes JAPAN誌2026年2月号(12月24日発売)に掲載されました。
5月の話題書
『競争なきアメリカ――自由市場を再起動する経済学』
トマ・フィリポン著 川添節子訳
読売新聞(4月27日、櫻川昌哉氏評)、日本経済新聞(5月3日、地主敏樹氏評)、中日新聞・東京新聞(5月10日、中北徹氏評)、朝日新聞(5月24日、酒井正氏評)と、書評が続きました。また、週刊東洋経済(2025年7月12日号、河野龍太郎氏評)や、TBSラジオ「荻上チキ・Session」(7/25)での言及など、さまざまなメディアで取り上げていただきました。Voice誌(2025年12月号)には、著者の大型巻頭インタビューも掲載されました。
「どうも企業と経済をつなぐ好循環のループは切れかかっているようである。資本主義がどのように壊れてきているのか見事にえぐって見せた1冊である」(櫻川昌哉氏)
6月の話題書
『アンチ・アンチエイジングの思想』
上野千鶴子著
5月の刊行以降、東京新聞、毎日新聞をはじめさまざまな媒体で取り上げていただきました。また、6月には著者・上野千鶴子氏×國分功一郎氏の対談イベント(於東京・ジュンク堂書店 池袋本店)と、著者・上野千鶴子氏×川口有美子氏の対談イベント(於東京・三鷹 UNITÉ)が開かれ、大変盛況でした。
「「ソクラテスは、哲学は死の練習だと言っている」などと返す國分さんに対し、上野さんは「練習しなくても(死は)きますから」と当意即妙で応じた」(2025年7月2日朝日新聞夕刊)
『庭とエスキース』
奥山淳志著
インターネットラジオ「チャポンと行こう!」(北欧、暮らしの道具店、6月23日配信開始)でご紹介いただきました。
「北欧、暮らしの道具店」店長の佐藤さんに「最近すっごくすっごく、読んでよかった本」と、激賞していただきました。
7月の話題書
『写真講義』
ルイジ・ギッリ著 萱野有美訳
東京都写真美術館で7月3日~9月28日にかけて「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」展が開催されました。来場者からは「『写真講義』を買いたくなるような展示だった」との声も。
8月の話題書
『ソーシャルメディア・プリズム――SNSはなぜヒトを過激にするのか?』
クリス・ベイル著 松井信彦訳
哲学者の谷川嘉浩さんのご著書『スマホ時代の哲学』抜粋記事で、本書に言及していただいています(8月26日)。
「これは、SNSについて考える上でこれほど面白い本はないというくらいの内容」(谷川嘉浩氏)
また本書は、文芸評論家の三宅香帆さんにも、Youtubeチャンネル『TBS CROSS DIG with Bloomberg』の「Page Turners」(2月22日)や、11月刊の『考察する若者たち』(PHP研究所)で言及していただいています。
9月の話題書
『コンパートメントNo.6』
ロサ・リクソム著 末延弘子訳
中日新聞・東京新聞書評(9月2日、藤井光氏評)、共同通信社配信書評記事(江南亜美子氏評)、朝日新聞書評(10月4日、青山七恵氏評)などさまざまな媒体で取り上げられました。
「到着と出発のはかなさを反復する言葉と、ふと上空から列車を眺めもする描写の美しさは格別だ。すでに滅びた文明の遺跡を通過していくような無常感が、この小説の最大の魅力だろう」(藤井光氏)
また、東海大学と葉々社の共催イベント「北欧ブックフェスタ」(11月15日)にて、本書の翻訳を手掛けた末延弘子さんと、枇谷玲子さん、青山七恵さんの鼎談「女性の生き方について翻訳から学ぶこと」があり、にぎわいをみせていました。
10月の話題書
11月の話題書
『未完の建築――前川國男論・戦後編』
松隈洋著
第79回毎日出版文化賞〈人文・社会部門〉を受賞しました(毎日新聞の記事はこちら)。
本書はそれ以外にも、2024年12月の刊行から、さまざまな媒体で書評をいただいています。加えて、2025年2月から6月にかけ、たくさんのトークイベントを開催しました(詳細は書誌ページにて)。
『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い――「台湾有事」論の地平を越えて』
駒込武編
高市首相の国会答弁(11月7日)以降、「台湾有事」の議論が再び前景化しています。「台湾海峡有事」の問題を台湾と沖縄の視点から捉え直そうと試みた本書と、台湾の思想的源流を紐解く呉叡人『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』(駒込武訳)にも注目が集まりました。
12月の話題書
『夜と霧 新版』
ヴィクトール・E・フランクル著 池田香代子訳
12/6放送NHK「新プロジェクトX」で、医師・中村哲さんの愛読書として紹介されました。1956年の旧版刊行、2001年の新版から長い年月が経っても、多くの方からご関心をいただきつづけています。
『ファン・ゴッホの手紙』新装版
フィンセント・ファン・ゴッホ著 二見史郎編訳 圀府寺司訳
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」にて、日本初公開のファン・ゴッホの手紙4通が展示されたことで、本書にもご注目いただきました。大阪展・東京展は開催終了しましたが、名古屋展の開催が予定されています(愛知県美術館:2026年1月3日(土)—3月23日(月))。















